☆子犬系男子にご用心☆
「結芽ちゃん!」
家につく途中、呼び止められて反射的に立ち止まった。
息が上がり、苦しくて胸を抑える。
「結芽、ちゃん・・・」
苦しそうに吐き出される名前。
久しぶりに、聞いた声。
振り返れば、久しぶりに向けられる瞳。
「臣・・・」
会いたくなんて、なかったのに。
こんな、ボロボロの顔で。
ぐちゃぐちゃの心で。
「結芽ちゃん、・・・僕」
向けられる瞳も、声も、思いもすべて。
みゆさんの、代わりだったの?