☆子犬系男子にご用心☆
「あの時、臣と付き合うって決めた時は、寂しさを埋めたかっただけだったと思う・・・。でも、臣だったから、臣ならいいかもって思ったの」
「・・・」
「臣といたら、春兄の事忘れられた。失恋したことも、その痛みも・・・。私の名かがね、臣で満たされてくのを感じたの」
空っぽだった心を埋めてくれたのは臣だから。
それがあれば、私は一人でも生きていける。
そう、覚悟を決めた。
「でも、今更好きだって言えなくて・・・。結局、こんなことになって。言っとけばよかったって後悔したから・・・。最後に、ちゃんと伝えておきたくて」
言ってスッキリするのは私。
臣は、きっと困るだけだろう。
だから、自分のためなんだ。
「ありがとう、臣。私を救ってくれて。ありがとう。さよなら」
「結芽ちゃ・・・」
「臣も、大変だね。婚約者がいる人が好きだなんて」
笑顔で、さよならをするんだ。
臣の中で、私がいい思い出に変わるように。