☆子犬系男子にご用心☆
君が好き
「初めて会った日の事を覚えてる?」
初めて会った日。
入学式の日。
木の上でサボっていた臣を私が見つけて・・・。
「あの日、みゆにねプロポーズされたんだって聞かされた。それで、逃げてあそこにいたんだ」
「・・・そう」
「結芽ちゃんに会って・・・、最初は、確かにやけになってた。どうでもいいやって。結芽ちゃんを追いかけてたら、みゆの事忘れられるんじゃないかって・・・」
全て、ちゃんと聞こう。
全て、知って終わりたい。
溢れそうな涙を堪え臣の言葉を一言一句聞き逃さないように聞く。
「イルカを好きになったのは・・・、確かにみゆの影響だけど・・・。でも、あの場所に結芽ちゃんと行こうって思ったのは・・・、みゆとの思い出の場所だからじゃない」
「・・・」
「結芽ちゃんとなら、同じように楽しんで、同じように笑って、一緒に同じ視線で過ごせるかなって思ったから・・・」
「同じ・・・?」
「みゆとはできなかった事も・・・、結芽ちゃんとならできるかなって・・・」
みゆさんとできなかったこと。