☆子犬系男子にご用心☆
「じゃあな」
一言そう言って通り過ぎていく春兄を自然と視線で追う。
叶わない恋だって知ってる。
春兄が私の事家族みたいにしか思ってないことも。
「結芽ちゃんって、馬鹿だよね」
「・・・は?」
突如飛び込んできた言葉に怪訝に眉を顰めその声の主を見る。
絶対に嫌な顔をしていると思ったのに、彼の表情は笑顔だった。
「っていうか、バカって言った?」
「言った」
「なんなのよ」
「別に、ただそう思っただけ」
なにを考えているのかわからない。
なにが言いたいの?
やっぱり、嫌いだこの人。