☆子犬系男子にご用心☆
「たまご焼きもーらい!」
「あっ!」
私のお弁当箱の中からひょういっと奪うとそのまま口に頬り込む。
嬉しそうに笑顔で頬張る姿を見て、毒気を抜かれてしまった。
「おいしい!すごくおいしいよ、結芽ちゃん!」
「そんなことない。焦げたし、うまく巻けてないし」
言ってしまえば今日のは失敗だ。
「僕、甘い卵焼き好きだから、凄くおいしいよ」
「・・・そう」
「いいなぁ!私も結芽の卵焼き食べたい!」
「明日から、多めに作ってくる・・・から」
「ほんと!?やった!」
なんでそんなに嬉しそうなんだろう。
たかが卵焼きひとつで。
たまご焼きなんて、誰が作ってもおんなじだし特別なものなにもないのに。