☆子犬系男子にご用心☆


結局麻生くんは、携帯を取りに来ないまま放課後になってしまった。
憂鬱な気持ちを抑え私は1年の教室がある階に向かう。



どうして私が。
志保に押し付けられただけ。
ただそれだけなんだと言い聞かせながら。



「ていうか、クラスどこ・・・?」




麻生くんのクラスを知らない。
そう言えば、私麻生くんの事知らない。

知ってるのは名前と学年それくらいじゃないか。


別に知りたいわけではないけど。




「あの」

「はい?」




仕方なく鞄を持ち廊下を歩く1年生に声をかける。
クラスを聞かなきゃいつまでたっても渡せないしね。
でも、知ってるだろうか。

声をかけた男の子は立ち止まり私を見た。



「あの、聞きたいんだけど・・・。麻生臣くんってクラスどこかな?」




一か八かで聞いてみる。




< 44 / 259 >

この作品をシェア

pagetop