☆子犬系男子にご用心☆
教室の中、男の子も女の子も関係なく集まって楽しそうに話をしている。
その中心にいるのは、紛れもなく麻生くんだった。
子犬のような無邪気な笑顔を振りまいて楽しそうに盛り上がっている。
なんでだろう。
あんなにも、周りにたくさん人が集まってくるような子が私に引っ掛かってしまっているんだろう。
こんな、醜い私に。
「あの、誰かに用ですか?」
ドロドロとした思考に埋もれていきそうになっていた私に投げられた言葉にハッとした。
目の前に可愛い女の子が立っていた。
「先輩、ですよね?誰か呼びましょうか?」
「あ、えと・・・。麻生くんを」
私がおずおずとそこまで言うと、その女の子はピクッと眉を動かした。
少し止まって、それでもそのあとにこっと笑うと「ちょっと待ってくださいね」と教室の奥に進んでいったのだ。
なんか、今の・・・?
その女の子が集まっている人だかりのところに近づき、麻生くんに声をかけているのがわかる。
そして、女の子が入り口に立っている私を指さしたと同時位に麻生くんの視線がこっちに向いた。