☆子犬系男子にご用心☆
「あ、結芽ちゃん。番号教えてよ」
「え」
「携帯」
携帯電話を渡され見ると、そこには電話帳の新規作成画面。
私はその携帯と麻生くんを交互に見る。
「・・・」
私は麻生くんの手から携帯を受け取り、数字を打ち込んでいく。
なんで教えてるんだろう。
「ありがとう」
「・・・ただの気まぐれだから」
「それでもうれしいよ」
携帯を帰す一瞬麻生くんの手が触れる。
悔しいけど、少しドキッとした。
「みんな、待ってるわよ」
「あ、うん。ありがとう。じゃあね」
ひらひらと手を振って戻っていく麻生くん。
私はすっかり彼に振り回されている気がするんだ。