☆子犬系男子にご用心☆



「結芽、なにブスッとした顔してんの」




教室。
ぞろぞろと次第に増えていくクラスメイト。

親友の小田志保に言われ、私はじとっとした瞳を向けた。


「朝から最低な気分よ」

「はあ?なにそれ」

「思い出したくもないから。黙ってて」




あんなの夢よ夢夢!
ちょっとでも桜の中にいて綺麗だとか思った私がバカでした。



「揃ってるかー。並べ―、体育館に行くぞー」




ガラガラと扉を開け、入ってきた担任の高城春樹先生。
担任になってくれたらいいなってずっと思ってたから、すごく嬉しい。



「春兄・・・」



だって、私は。



「目がハートですよ」

「う、煩い!」




だって私は、先生が好きだから。





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