☆子犬系男子にご用心☆
「泣いていいよ」
臣の静かな声が響く。
「これで僕には見えないから。泣いてもいいよ」
「なん・・・」
もうダメだった。
声を発そうとするとその声は涙へと変わり。
ポロポロと溢れだした涙は止まることを知らず。
いつしか臣にしがみ付いて泣きじゃくっていた。
泣きたかった。
でも、笑わなきゃって。
春兄をお祝いしてあげなきゃって。
私にちゃんと報告してくれようとしてくれたのにって。
だから無理して笑って。
でもダメだった。
だから逃げだした。
逃げたんだよ。
苦しい。
悲しい。
胸が痛い。