☆子犬系男子にご用心☆



その時、私の腕を掴んだ男の腕を後ろから臣が掴んだ。




「っ!?」



声にならない唸り声をあげる男。
その瞬間男の手が私の腕を放した。

その隙に距離を取る。




「なんだ、てめぇ!」

「この人に手を出したら、俺が容赦しないから」




臣は、男の腕を掴んだままその男を突き飛ばすともう一人の男にぶつかりながら二人でドミノ倒しのように倒れた。




「てめぇ!!!」





二人が起き上がる前に、臣が私の手を掴み走り出す。
チラチラと倒れこんでいる男たちを振り返りながら臣に連れられて走った。




“俺”




いつも臣は、自分の事、“僕”って言ってる。
男たちの前だったから?


いつものヘラヘラした臣じゃない。
なんか、別の人みたいだった――――・・・。





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