☆子犬系男子にご用心☆
しばらく黙ったまま歩き続けた。
私の手を引いて少し前を歩く臣の背中と繋がれた手を交互に見る。
男の子、なんだ。
いつもヘラヘラ可愛らしい笑顔を向けるからなんとなく忘れてたけど。
さっきの場所から大分離れた場所で立ち止まるとようやくこちらを見た臣。
その表情はすっかり元の臣に戻っていて。
「結芽ちゃん、大丈夫?」
声のトーンも元通り。
さっきの臣が嘘みたい。
「うん、平気・・・」
「よかった。もー。目を離すとこれなんだから。しっかりしてよ、結芽ちゃん」
「わ、私のせい!?」
なぜそうなるの。
臣はもう表情も明るく笑ってて。
「なんか、別人みたい」
「え?あ・・・、ごめん。必死だったから」
そう言って笑う臣に、私は納得して頷いた。