☆子犬系男子にご用心☆



「あ、そうだ。これ、水」

「ありがとう」



渡された水はまだ少しヒンヤリとしていて。
カチッと音を立ててキャップをあけると一口口に含んだ。

喉を通る冷たい水が気持ちを落ち着かせる。




「ねぇ、変なことされてない?」

「え?」

「変なこと」

「されてないよ。腕掴まれただけ」

「ほんと?」

「本当だってば」




疑いの目で私を見ると、しばらくして「そっか」と視線を逸らした。
心配してくれた?

それも、そうか・・・。
護ってくれたんだもんね。




「・・・ありがとう」

「え?あ、ううん。当たり前だよ」




臣はそう言って笑った。




< 82 / 259 >

この作品をシェア

pagetop