☆子犬系男子にご用心☆
「あ、私の家このさきだから・・・」
家の近くまで来て立ち止まると臣に向き合ってそう言った。
立ち止まった私に、臣も立ちどまり私を見る。
いつになく真剣な眼差しで。
「ねぇ、結芽ちゃん」
「え?」
「僕じゃ、ダメ?」
臣の右手が私の頬に伸びる。
優しく頬を撫でるとそのまま頭の後ろに伸ばした手でグイッと私を抱き寄せた。
私は、身動きもとれないままそれを受け入れてしまっていた。
「僕の事、好きになってよ」
身長のあまり変わらない臣に、包み込まれている感覚。
臣の想いが、伝わってくる。
なんで、いつもみたいに即答できないんだろう。
私は、まだ春兄の事――――――・・・。