☆子犬系男子にご用心☆
ニコニコと、唇を弧の字にして屈託ない笑顔で私を見ている彼を。
私は知らない。
「し、しらないよ」
「え、忘れちゃったの?ちゅーまでしたな・・・」
「ちょっと来て!!!」
私は最後まで言わせないうちに彼の腕を掴み引っ張っていく。
昨日会ったあの桜の木も通り越し校舎の裏へ。
人気のないところまで連れて行きようやく腕を放す。
「ちょっと、あんた!」
「おみ。麻生臣。臣でいいよ」
「は?そ、そんなこと聞いてるんじゃない!」
思わず怒鳴りつけた。
あんたの名前なんてどうでもいいんだ!
「さ、さ、さっき!なんて言おうとしたの!」
「さっき?ああ、ちゅーまでした仲なのにってとこ?」
「それよ!あ、あ、あんた!なんでそれ!」
寝てたんじゃん。
なんで、それを知ってるわけ。