☆子犬系男子にご用心☆
「結芽ちゃんの卵焼きだー!」
大はしゃぎの臣が、私のお弁当箱から卵焼きをかっさらっていく。
すっかりいつもの臣だ。
満面の笑みで嬉しそうに頬張る姿を横目で見る。
「臣くんってほんと、結芽が好きなんだね」
そんな姿を一緒に見ていた志保がしみじみと呟いた。
「な、なに言ってんのよ」
「うん。好きだよー」
「ちょっと、あんたもなにサラッと答えてんのよ!」
顔が熱い。
やばい、顔に熱が集まってくる。
「あれ、結芽顔真っ赤」
「う、煩い!」
「え、結芽ちゃん照れてんの!?」
「うるさーい!」
私はさらに顔を赤くさせる。
居たたまれなくなってお弁当箱を放ったまま屋上を飛び出した。