☆子犬系男子にご用心☆
やだ、調子狂う。
なんで?
今までと一緒なのに。
どうしてこんなに動揺してるの?
「わ」
階段を駆け下り廊下に飛び出すと横からきていた人とぶつかる。
その勢いのまま倒れそうになるところを、その人の手ががっしりと私の腕を掴んだ。
「あぶな、結芽、廊下は走らない」
「あ・・・春兄・・・」
私がぶつかったのは春兄で、春兄は少し怒ったようにそう言うと私をその場に立たせた。
「ごめんなさい・・・」
「ケガはないか?」
「大丈夫」
優しい言葉をかけられて私の心は躍り出す。
やっぱり、こうして話すと引き戻される。
簡単に、春兄を好きな私に戻ってしまう。