☆子犬系男子にご用心☆
「言ったよね?あいつのことは忘れろって」
「え・・・?」
「いつまでも、あんな奴を思ってたって、結芽ちゃんは幸せにはなれないよ」
臣が、そう言いながら私の腕を掴む。
「や・・・」
「だから、僕が忘れさせてあげる。あいつの事、考えられないくらい」
誰?
目の前にいるこの人は・・・。
臣の顔をしたこの人は・・・・?
「やめて、臣・・・」
「・・・君までいなくならないで・・・」
私を抱き締め、消え入るように囁かれた言葉はとても寂しく悲しい響きだった。
臣の身体が震えてる。
どうしてか、私は突き放すことができなかった。