龍華寺 四葉と書いて、救世主と読め。




 『六年花組:駒木 七五三』




「これで、コマキ ナゴミって読むの!」

「……なーんだ、キラキラネームか。紛らわしー」

「もー、人が気にしてることをー!!」




ナゴミ―――七五三は一発で読んでもらえない自分の名前が嫌いである。

だから昔から、答案用紙等に書く名前はひらがなかカタカナで記入していた。

(また、読んでもらえなかった……)

ぷうっと頬を膨らませて拗ねる。

「私、自分の下の名前嫌いなの。だから苗字とかで呼んでよ?
良いよね、龍華寺さんは。四葉なんて可愛くていかにも幸運呼び込みそうな名前で」

皮肉っぽく言ってみた。

さっきまでずっと四葉の言葉に乗せられていたんだ。こっちから何か言ってもバチは当たらないだろう。

「そうか?私自身はむしろ逆だが」

「え、逆?」

どういうことか問おうとした時。






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