龍華寺 四葉と書いて、救世主と読め。
副生徒会長、事件ですよ。
「生徒会長の龍華寺 四葉様はいらっしゃいますかしらーーー?!」
バターン!とドアが壊れるんじゃないかというくらいの勢いで、一人の女の子が入ってきた。
制服が高等部のもの。ということは、ここの高等部に所属する高校生だ。
モデルのように背が高く、金髪に近い茶髪は昔の少女漫画みたいにカールされてて、頭の天辺には真っ赤なリボンが踊るように揺れてる。
制服も若干余計なフリルがついていて、お嬢様っぽい感じだ。
(なんか、化粧も若干濃くて、全体的にけばけばしい感じ……私の苦手なタイプだ……)
「……えーっと、高等部二年風組の、円城寺 美奈(えんじょうじ みな)さんですね?」
「あら、ご存知でしたの?」
「まぁ、そりゃ、貴女、円城寺財閥のお嬢様ですし、兄達から話はほんのりと聞いてますし、私も初等部生徒会長で、高等部生徒会長と接触してますからね……」
珍しく四葉もたじたじになる。
(これだけインパクトのある格好してりゃ、嫌でも覚えちゃうってことか。私は高等部の人とは関わりがないから知らなかったけど)
ナゴミは四葉に同情せざるを得なかった。