龍華寺 四葉と書いて、救世主と読め。
詠芽の個人情報漁り(と書いて遊び)
「で、生徒会室に来た訳ですけども」
次の日の放課後。またナゴミは生徒会室に来た。今回は四葉に無理矢理連れて来られるのではなく、自分の意思で。
理不尽に巻き込まれたとはいえ、事件の結末は最後まで見届けたいものだ。
ところが、何故か見知らぬ人間がそこにはいた。
ヘッドホンを首に下げた少年が、ノートパソコンを開いて、四葉と何やら作業をしている。
中にパーカーを着用しているが、制服が中等部のもの。ということは、年上。
少年は入口でボーッと突っ立ったままのナゴミに気が付き、声をかけた。
「あ、僕の存在が気になってる?僕は中等部三年月組の、龍華寺 詠芽(りゅうげじ えめ)。龍華寺家の三男で、ヨツの三番目の兄貴。宜しくね」
ヨツというのは四葉のことらしい。
なるほど。兄妹か。ナゴミは納得した。
確かに詠芽は、四葉によく似た中性的な顔立ちをしている。
特に、蛇を思わせるキリッとした目元がそっくりだ。詠芽の方は眠そうに少し伏せてるけど、兄妹だと言われれば普通に頷ける。
「ナゴミちゃんだよね?ちょっと君たちの仕事のお手伝いしに来たんだよ」
「お手伝い?」