龍華寺 四葉と書いて、救世主と読め。
「浦安 深月(うらやす みつき)、鏡宮(かがみや)中学校一年八組、文芸部所属。リヴェールマンション二〇四号室在住。好きな作家は葛ノ葉 亜松、好物はキウイフルーツ」
「えっ、そこまで分かっちゃうんですか?」
「うちの長男、龍華寺 花厳(りゅうげじ かざり)が探偵の助手やっててね、細かい事はそっちで調べてもらった」
警視総監の祖父に、警部の父、探偵の助手の長兄……龍華寺家はいったいどうなっているのか。
「次、夜の街で会ったっていうケバいおねーちゃん」
手際良く画面を切り替える詠芽。
「田中 恵実(たなか めぐみ)、二十三歳。職業キャバ嬢。キャバクラ『Party』に勤務。好きな酒はバーボンとウォッカだが、カワイコぶってマティーニと言ってる。源氏名は『東雲 永麗奈(しののめ えれな)』因みに住んでるのはリヴェールマンションの裏のコーポ曹爽ってアパート。意外と深月と近所だったね」
「それも花厳さん情報ですか?」
「いや違うと思う。カザはこーいうの苦手な堅物だから、どーせナタが調べたんでしょ」
四葉が割り込んだ。
「流石だな、我が妹。これはナタ兄が調べた」
「ナタって?」