龍華寺 四葉と書いて、救世主と読め。
「龍華寺家次男、高等部二年花組の龍華寺 菜種(りゅうげじ なたね)。バイト先の先輩が常連だから、聞いたんだとよ」
「へー……って、高等部二年って篠崎さんと美奈さんと同じ学年じゃん!菜種さんに聞いた方が早かったんじゃないの?」
「クラスが違うから接点無いし、いきなり話しかけたら警戒されるだろうし、何よりあっさり終わったら私がつまんない」
「あと僕も個人情報漁りで遊べなくてつまんない」
「……」
ヤバいぞ……この兄妹犯罪を遊び感覚で捉えてるぞ……
「これだけで良い?依頼者のお嬢様と熊みたいな女はもう大体分かってんだよね?」
美奈と茜の事だ。
四葉は満足そうに頷いた。
「充分だよ、ありがとエメ」
「ヨツはこれからどーすんの?僕がやれる事で楽しい事だったら手伝うけど」
妹の為でも楽しくなければやらないのか、コイツは。
こういう自由な所が、やっぱり兄妹だなとナゴミに思わせられる。