龍華寺 四葉と書いて、救世主と読め。


  ドーン!


「いったーい!!何すんだよ!!ブス!!」

「あー、ゴメーン山田サーン、ホンットゴメンネー」

「なっ…ちゃんと謝れよ!!」

「んー?さっきのお前の真似しただけだけど?」

むこうから喧嘩するような声が聞こえる。

「何だ何だ?」

「喧嘩か?」

廊下を歩く生徒や近くの教室の生徒が、何事かとゾロゾロと見物に行った。

ナゴミも興味本位で野次馬に混ざってみると、中心に二人の女子がいた。

さっきぶつかった女子、山田ともう一人、下ろしたら引きずりそうなくらい長い髪をツインテールにした女子が口喧嘩をしている。

ツインテールの女子は、蛇のような目で相手を睨んでる。視線だけで人を殺せそうな、ギラッとした瞳。

見てるだけで、鳥肌が立つ。

怖いのに、どこか人を惹きつける魅力のある瞳だった。

「(さっきの…山田と…あれ?もう一人は確か……)」

ツインテール女子の方がやはり優勢のようだ。山田の足が恐怖で震えてる。

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