龍華寺 四葉と書いて、救世主と読め。

あの四葉が顔を赤くして、目を潤ませて必死になってる。

なんだか可愛い。

「……ふふ、こんなリストバンドなんてなくったって、一緒にいるよ!」

これは本心だ。

確かに最初の方は、無理矢理振り回されっぱなしで嫌々ながらにやっていたが、なんだかんだでちょっと楽しかったし。

何より、四葉のいろんな一面や本性が見られた気がする。

本当はただ怖くて強いだけじゃなく、真っすぐで芯が通ってて、強い志を持っている。

ナゴミに無いものをたくさん持ってる子だ。

その意思を笑顔に乗せて、四葉に微笑む。

「こちらこそよろしくね、龍華寺さん」

「わ、私がナゴって呼んでるんだから、ナゴもなんかあだ名で呼べよ!私だけ気持ちが空回りしてるみたいだ」

「あだ名……そうだね」

少し考える。

龍華寺兄弟同様、『ヨツ』と呼んでも良いけど……

「『クロ』ちゃんってのはどう?」

「クロ?……ははっ、腹黒いから?」

「ううん、『四葉』だから、『クローバー』のクロ。ちょっとひねりがきいてて可愛いでしょ?」

「……良いじゃん」

四葉も気に入ってくれた。
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