龍華寺 四葉と書いて、救世主と読め。

「二人は性格は正反対だけど、自他ともに認める大親友なんだ。幼馴染で、幼稚園の頃から一緒らしい。けど……」

野菜を切る作業に戻りながら、四葉はポソッと言葉を吐いた。

「なんか、見てて変な感じするんだよ……」

「ん?クロちゃん、何か言った?」

「いや、何でもない」

四葉の最後の声は、フライパンに油をしいた音で聞こえなくなった。









「いちおー完成したねー」

「完成……完成って言うのかな、これ」

「で、でも普通に食えるじゃん」

「結果オーライって感じ……?」

リン、ナゴミ、四葉、遥加は出来上がった料理を改めて眺めた。

皿の上にはスクランブルエッグとチキンライスが盛り付けられている。

チキンライスはリンと四葉でどうにか作れたが、卵の部分は遥加とナゴミが二人揃って失敗し、『綺麗にぐちゃぐちゃ』になってスクランブルエッグと化したのだった。

せめてこれ位は……と遥加がケチャップで描いた可愛いウサギが良かったのか、先生には良い点を貰えたが。
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