龍華寺 四葉と書いて、救世主と読め。

「……あの二人がなんでこんな怪我してるのか教えてくれない?なんか……転んだだけには見えない、不自然な感じの怪我だったからさ」

「え、えっと……」

ただの保健委員だったら普通ここまで聞かないと思う。

という事は、四葉が絡んでいるのだろうか。

あるいは龍華寺家の血はそういう探偵根性でも含まれてるのか。

とりあえずナゴミはさっき起こった事を全て菜種に説明する。

蛍光灯が落ちてきた事、リンが咄嗟に遥加を引っ張って軽傷で済んだ事、二人が大親友である事。

話終えると、菜種はこめかみをグリグリ押して記憶を探る仕草を見せた。

「んー、オレのところでもそんな感じの事あったなぁ」

「!」

「去年だか一昨年の体育祭だったかな?高等部の近くにある手芸部の部室でボヤ騒ぎがあったんだ。で、手芸部の部室とテニス部の部室は近い。さっきの鷹嘴って子もテニス部所属って名簿に書いてたんだ」

手芸部は遥加の所属する部活だ。

そしてテニス部はリンがいる。

……とてもじゃないが、偶然とは思えない。

「どーせヨツも、なんか怪しいって思ってんだろ?手遅れになる前に捜査は続けたほうが良いね。ナゴミちゃんも止めない方が良いよ」



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