龍華寺 四葉と書いて、救世主と読め。
「ちょうど、良い舞台が今度出来上がるからね。便乗して思いっ切りやってやろ」
キラリと黄緑の目が光った。
真相を見抜き作戦も考え終わって、後は本番を待つのみ、といった顔だ。
(良い舞台って、も、もしかして……!!)
ドクンとナゴミの心臓が跳ねる。
楽しみとも不安とも緊張ともワクワクとも取れるそれは、四葉から目を逸らせなくさせた。
「シンデレラの原作を知ってるか?意地悪な義姉は、シンデレラと王子様の結婚式の日にシンデレラが可愛がってた小鳥に目をつつかれて失明するんだ」
初めて聞いた。
女の子なら誰でも憧れるような童話に、そんなグロい表現があったなんて……
「悪者が地に堕ちて、正義である弱者が華やかな舞台に立つ……最高のハッピーエンドだろ?」
言っている事は小学生のセリフとは思えないほど盛大で、夢を見てるような顔つきなのに、まるで世界を制する女神のような出で立ちだ。
「さぁ、下剋上だ!」