龍華寺 四葉と書いて、救世主と読め。

この玲瓏学園は生徒数が多い為、部活も全部把握出来ないくらいたくさんある。

難易度の高い神経衰弱のように、関わりがあるのはその二人組だけだったのだ。

「白雪姫役に立候補したのは、舞台裏に何か仕掛けてたんじゃない?『舞台をほっぽり出してまで友達を助けに行くかっこいい人』っていう他者からの評価を得るのと、遥加にもっと好かれる為だけに」

『だけ』の部分を強調して、四葉はマントを翻した。

ステージをよく見ると、端のスポットライトがグラついてる。

恐らくはアレだ。

「いい加減な嘘つかないでよ!ア、アタシが、アタシが何でそんな事ー……」

「さっき自分で全部言ったろーが」

四葉は舞台横に置いてあった機械に肘を乗せた。

「この玲瓏学園の各所に設置されたテレビに生放送で繋がってる、カメラに!」

体育館がしんと静まり返る。

「なんで!?なんでよーー!!」

髪のセットが乱れるのも構わず、リンは狂ったように叫び出した。

ギャラリーがビクッと驚いて一歩下がる。

「ハルはアタシの大親友!!アタシのなの!!なのに皆が取ろうとするから!!だったらハルが他の人見られないようにするしかないじゃん!!」

「馬鹿言ってんじゃねーよ!!」
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