龍華寺 四葉と書いて、救世主と読め。
「本日のゲストは、現役大学生ながら名探偵!龍華寺 花厳さんでーす!」
わぁっと客席から拍手が上がる。
「どうも」
軽く会釈をしながら花厳がカメラにフレームインしてきた。
その端麗な顔立ちを見るとたちまち黄色い声が上がった。
そして用意された椅子に腰かけると、番組は花厳の紹介のコーナーへと入る。
「花厳さんは大学へ通いながら探偵業もされているそうで」
「ええ。やはり両立させるのには骨が折れますが……支えてくれる家族がいますから」
「あら、家族思い!素敵ですね〜!ちなみに花厳さんのご家族は確か……」
花厳は美しく長い指を見せびらかすように、指折り数えながら説明をする。
「両親と祖父、それから長男の私、高校生と中学生の弟が一人ずつと、あと小学生の妹がいます」
「まぁ!しっかりしたお兄さんですね!素敵〜!」
「えぇ、まぁ。皆厄介な事ばかりやらかしますが、なんだかんだで良い弟と妹です。そしてその妹が今来てるんです。こちらです」
「へっ?」
タンッ!タンッ!タタンッ!
華麗にバク転をしながらカメラにフレームインする影があった。
司会者もタレントもミサ子もスタッフも、突然の乱入に目を丸くする。
「どーも、飛び入りのスペゲスでーす!」
アイドルのようにピースサインを目の横に持ってくるポーズをとる長いツインテールの少女は、とても絵になっている。
「彼女が龍華寺 四葉。私の妹です」