引っ越し先はあたしの隣⁉︎
花火大会が終わり、周りが一段とガヤガヤ賑やかになりみんな帰りだした頃。
なぜか隣にいる隼田くんが動こうとしてません。
しかもあたしをずっと見てて……。
あの、そ、そんなに見られるともう心臓が持たないんですけどっ。
胸の鼓動が周りの声に混ざって聞こえてないと思うけど、
もし静かな場所だったら絶対にアウトだ。
絶対に隼田くんの耳に届いてるはず。
……よかった、賑やかで。
で、でもっ!
この状況は耐えられないよっ。
誰か、助けてくださいっ。
そう思いながらチラッと隼田くんを見てみる。
あ、あれ?
隼田くんこっち見てない……?
もしかしてあたしの勘違い!?
あたしって馬鹿すぎる……。
「隼田くん、帰らないの?」
こんなところに2人で突っ立ってるってなんか変な感じだし、
それにもう周りにいた人達いないし、花火もう終わっちゃってるし。
だから隼田くんに声をかけた。
「あぁ、悪ぃ。帰ろっか」
我に返ったようにそして少し微笑みながら言った。
「隼田くん、どうかしたの?」
少し前を歩いてる隼田くんに声をかけた。
って、なんで引き止めてるんだろ。
『帰らないの?』って自分から促したくせに、だからいま帰ろうとしてんじゃん。
でも、なんか違った感じがしたから。
さっきの笑い方といい、なんかボーッとしてる感じが引っかかる。
それに、あたしのことを見てくるし。
って、それはあたしの勘違いだと思うけどねっ。はい、分かってますよー。
そんな感じで隼田くんの様子がさっきから変だと思って聞いてみた。