引っ越し先はあたしの隣⁉︎
「わあっ!?」
いきなり手首掴んで引っ張られたから変に声が。
て、てか、なにコレ!?
隼田くんの顔が、顔が!!
目の前にあるんですけど?!
目をパチクリしてると自分の顔が上を向いた。
え。
こここ、これって!
うそ、いまあたし顎クイされてる?!されてるよね?!
「あ、あああ。あのぅ」
「なに?」
満面の笑みを向けられて言葉を失ってしまった。
『なに?』じゃないよ。言葉失っちゃったじゃんよ。
笑顔にやられて。
「はやた、くん?なにしてるの?」
「なにって、分かるでしょ?」
っ!
わ、分かるけどっ!分かりますよ。最近話題の『顎クイ』だってこと!
てことは……っ。
ダメだ。
顎クイの次にすることはもう……あれしかない。
うわあああああっ!
ダメだっ。心臓ほんとに破裂しそうっ。
「隼田くんっ、もうやばい、っす」
「クククっ、『やばいっす』って」
……笑われた。
そりゃ、かなりテンパってるからね!
もう離してーーっ!
「わかったわかった。解放してあげる」
そう言って顎から手が離れた。