引っ越し先はあたしの隣⁉︎
家にて
~斗真side~
──ガチャ。
「おかえり~」
俺が帰ってきたことに気付いた母さんが声をかけた。
普段ならめんどくさそうに返すんだけど、今はそれどころじゃない。
そう、それどころじゃないんだ。
俺は部屋に入って思いっきりベッドにダイブして、そして。
「ヤバいんですけどおおおおおお!」
叫んだ。
嬉しすぎて、嬉しすぎて。
ねえ、これって夢じゃないよな?え、夢?!
何か俺を夢と思わせない方法を……!
って、俺は女子か!!
そう自分でツッコんだ時。
──~♪
着信音が響いた。
誰?アイツ?……めんどくさ。
そう思いながら受信項目を開いて俺は目を見開いた。
だって、木下からだったから。
【今日はありがとう!すごい楽しかったです!】
これは1文目。
【えーっと、これからもよろしくお願いします!!】
そんでこれが2文目。
なんだこれ、なんだこれ!!
うん、もう夢ではないことは分かった。この内容見たら。
てかてか、このメールヤバいね。うん、とにかくヤバいっす。
てかさ、俺ってこんなキャラだったっけ?
ま、いいや。
少し気になるところがあるけど、まあそこは今度指摘することにして。
返信しないとな。
んーと……。
「ってどう返したらいいんだ?!」
返信しようと意気込んでから何分経った?!
わかんない。けどかなり経ってる気がするんだけど?
いや、ちゃんと文字は打ってるよ?打ってるんだけどさ、なんか違う気がして。
言葉ってムズいな。
特に、す、好きな人?いやこの場合は、か、かかか、カノジョ?
……俺、噛みすぎ。
だってはずいし。初めてだし。
ってそれよりメールだ。
もう、素直に書いちゃう?いやいや、それは後々恥ずかしい。
ああ!これでいいや!!
よし、送信っと!!
木下どう思うかなー。
なんか恥ずかしくなってきたし。
取り消ししたい。もう遅いけどな。
ははは。笑うしかない。