引っ越し先はあたしの隣⁉︎
──~♪
着信音に少しドキッとして画面を見た。
「木下からだっ」
返信速いな。
メールの内容を早く知りたくて受信項目へ。
内心ドキドキしてんだなー、これが。
あ、言っとくけど俺ちゃんと男だからな!
そこんとこよろしく。
って俺おかしいわー。誰に言ってるの?!透明人間?
今日は狂い過ぎだな。
俺は自嘲しつつも木下の項目に指を置いて開いた。
「……はい?!」
自分からおかしな声がでた。いや、出てしまった。
そこには言葉でも文字でもなく、たった1つのスタンプがあった。
これって、ウサギだよな……?
ウサギといってもブサイク。でもどこか愛らしくて……いや、そーじゃなくて!
こいつの表情!
真っ青になって今にも吐きそうな感じ?なんだけど。
いや、待って。ちょ、笑いが止まんないだけど。
「クククッ」
──ピコン♪
メール画面に追加された文字をみて更に俺は笑う。
【ごごご、ごめんなさいっ!スタンプミスったヾ(@°▽°@)ノ】
という答えに、スタンプ。
ウサギのごめんなさいバージョンで。
「スタンプミスって……クククッ」
この反応好きだわー。目に見えるし。なんせ木下らしいから。
画面上は何通か木下からきてて、俺はそれを眺めながら笑ってるだけなんだけど。
その中には【隼田くん、笑ってるでしょ!】とか【笑うな!】とか。
もう笑いが止まんないんだけど。……可愛すぎるから。
なんかちょっといじめたくなる。いや、いじめたい。
それは好きだから?
〔笑ってないよ。たださ〕
【嘘だ!絶対笑ってる!!】
返信早っ。
〔じゃ、笑ってるってことにしといて(笑)〕
【ふん、もーいーもん!σ(´┰`=)】
フッ、なんだそれ。かわいいだけだし、そんな反応されても。
〔そっかー、残念〕
──ピコン♪
──ピコン♪
──ピコン♪
鳴りすぎる着信音。
いやいやいや、スタンプ送りすぎっしょ!?
ごめんなさいのスタンプがいくつも。
どんだけ持ってるんだよ!
ってもしかして、勘違いしてんの?