引っ越し先はあたしの隣⁉︎
「おはよ」
ドキドキしてるあたしに声をかけてきた。
「お、おはよ」
一言言うだけなのに、緊張してつっかえてしまった。
「あのさ、今日から教科書見せてくんね?」
届くまで、と。
教科書か……。そっか、昨日来たから持ってないんだ。
「あ、うん。いいよ」
「ありがと」
隼田くんが笑って言った。
……なんだ、普通に笑うじゃん。
てかてかてか……!その笑顔反則なんだけどっ。昨日のがフラッシュバックしてきちゃう。
「どした?顔赤いよ」
急に近づいてきて顔を覗いてきた。
あたしは反射的に顔を背け、頬に手を当てて顔を隠した。
「あ、赤くなってないよ。だ、大丈夫大丈夫」
なにが『大丈夫』なんだろうか。恥ずかしさからとっさに出てきた言葉がそれだった。
顔を冷やすため手で扇ぎながら言うと、
「なに?俺のこと好きなの」
ニヤリと笑った。
はっ!?な、なに!?いきなり。は、隼田くんまさかのSですか。
「な、なに言ってんの!な、なわけないでしょ。昨日会ったばかりなのに」
あたしはハハハハと苦笑いした。
よくこんな恥ずかしいこと言えるね。
……あんまこんな事言わないほうがいいと思うよ。
もう、なにドキドキしてんのよ。
からかわれてるだけなのに。間に受けちゃだめじゃん。