引っ越し先はあたしの隣⁉︎
恥ずかしいと最悪な日
翌日。
いつも通りの朝を迎え、いつものようにお母さんに聞こえる大きな声で「行ってきます!」を言って家を出る。
すると、前のドアも気だるそうな声とともに開いた。
そして、目が合う。
「お、おはよーぅ」
……さいあくだー。
変なアクセントになっちゃったじゃんよー!
会って1発目でこんなんになっちゃって、ダメじゃん!
そうやって小さい反省をしていると前からクスッと聞こえた。
「木下、おはよ。朝から最高でしょ」
……朝から最高、って。
まだ肩を震わせてる隼田くんをみて少しムスッとしちゃうけど
この笑顔が好きだからいっかな?って思ってしまうんだよね。
あたしもつられて笑う。
隼田くんはそんなあたしをみて左手を出してきた。
差し出されたその手を黙って見ていると
「こうだよ」
そう言ってあたしの右手を握って歩き出した。