引っ越し先はあたしの隣⁉︎






──ガラッ。


隼田くんが教室のドアを勢いよく開けると、少し賑やかだった音が一瞬で消えた。

でもそれも一瞬で。

あたし達の周りに群れが襲ってきた。




集まったほとんどが賑やか系の人で、あたしと隼田くんに質問攻め。


うっ。やっぱこうなるんだよね。

やだよー。怖い。

ほんとこういう系の人は無理っていうか、ダメなんだよ〜。




すみません。もう解散してください!


心の内では言えるんだけどなー。
怖くて言えない。




「ごめん。ちょっと木下参ってるみたいだから俺達から離れてくれない?」


その一言で群れが一気に引いた。



「あ、ごめん」

とか、

「いいなー」

とか

「羨ましい!」

なんて言いながら離れていく。




その光景をみて少し申し訳ないなって思っちゃうのは変なのかな。

みんなごめんなさい。



ブルーな気持ちのまま自分の席に向かおうとした時。


──グイッ。


な、なに?!

腕を引き寄せたのは紛れもなく隼田くんなんだけど……。


え、なにこの状況。




隼田くんの前にあたしは立たされ、そして──。






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