引っ越し先はあたしの隣⁉︎






「なっちゃーん!」

「もー、なんなのー?早く食べなよ。お昼終わっちゃうよ?」



昼休み。

あたしはなっちゃんに慰めて貰らいながらお昼を食べようとしたのに!

食べようとしたのに!!

全然慰めてくれないー。

なっちゃんのケチー!

因みに、隼田くん達とはあたしのわがままを聞いてもらって今日は別行動です。



「こんなにすがり付いてるのにー」

「いや、食べにくいんだけど」

「え、ああ。ごめん」

「よし、じゃー食べな?」



さっきからこんな調子なんだもんなー。

……分かったよ、食べますよ。


ご飯を口に入れて食べる。

食べる。

食べる。

食べる。




「……舞。視線が痛いんだけど」


キャップを閉めながら言うなっちゃん。


やっと気付いてくれましたか。菜摘さん。



「まい、おいしく食べてるのはいいんだけどね。目だけが恐かったよ?」

「だって、話聞いてくれないんだもん」



だから、食べながら『聞いてよ!』っていう目線を送り続けたんだもん。



すると、突然なっちゃんが笑い出した。


「はあ、分かってるよー!ちょっと遊んでみただけだから」



そう言ってまた笑い出すなっちゃんに、あたしはあ然としてしまった。





< 134 / 237 >

この作品をシェア

pagetop