引っ越し先はあたしの隣⁉︎
今朝のことをなっちゃんに伝え終わったあたしは、熱くなった体を冷まそうと冷えたお茶を飲む。
なっちゃんはこの話を聞いてちゃんと慰めてくれたけど、顔が崩れてるように見えるのはあたしだけかな。
ちょっと指摘してみようかな、と思ったところでなっちゃんが先に割った。
「まい、本当にそれだけ?!」
「エっ!?」
「あ、声裏返った!」
シマッタ!
だめだー。隠し事できない性格ってほんとこういう時不便だよ。
あえて言わないようにしてたのに!
「ほーら!さっさと言えー!」
そんなキラキラした目で見ないでよー。
余計言いずらいじゃん。
仕方ないか、自分の性分がいけないんだから。
「あのね、……キス、された」
言ってることが凄く恥ずかしいから下を向いてなっちゃんの反応を待ってみる。
……あれ?
なんも音がしないんだけど?
「な、なっちゃん?!」
不安になって様子を伺う。
目の前にいるなっちゃんはポカーンと口を開けたままあたしを見ていた。
え、なんか怖いんだけど。
瞬きしてないよね?!
おーい?
なっちゃんの顔の前で手を振ってみると、我に返ってきたみたい。
「ああ!ごめんごめん。いやー、あまりにも衝撃的で」
薄ら笑顔を浮かべながら言うなっちゃん。
だよねー。やっぱ衝撃的だよね。
あたしも薄ら笑顔を浮かべる。
ほらー、なっちゃんにまで引かれちゃったじゃん!
隼田くんのばーか!!
なんて本人には言えないけど、心の中で言ってみた。