引っ越し先はあたしの隣⁉︎
3限が始まるチャイムが鳴って、先生が入ってくる。
「席着いてるかー」
その声を聞いて担任だと気付く。
そっか。今日の3限、LHRか。
えー、なにするんだろう。
「木下っ、これから何やると思う?」
隣から声が聞こえたからあたしは素っ気なく「分かんない」と答えた。
このクラスの席っておかしすぎるよ。
なんであたしの隣だけ、いつも空いてるの?って思ってたんだけどさ
……そういうことね。
なんで隼田くんが隣なんだろー!
いや、フツーおかしいでしょ。
あたしは木下の【き】なんだよ?なのになんで隣には誰も何も無いの?!
最後の番号の後ろとかさ、他にあったでしょー。
……今更こんなこと言っても仕方ないか。
いや、そーゆー問題じゃないんだよ。
もー!こんな風になっちゃってるのは今朝のせいなんだよ!
隼田くんがあんな事するから。
「木下さん」
突然名前を呼ばれ、我に返る。
「木下さん、よろしくね!」
……え。え?
『よろしくね!』って何が?
ニコニコして拍手してるその子を見る。
今度はクラス全員が拍手している。
隼田くんが肩をトントンして、黒板に人差し指を向けた。
その方向を見ると
そこには
【シンデレラ役→木下舞美】
と書かれてあった。