引っ越し先はあたしの隣⁉︎
1時間目の授業が始まり、あたしは隼田くんに教科書を見せてあげる。
この学校は総合学科の単位制で90分授業。
自分達で好きな時間割りが作れるからいいんだけど今の時間は必修の授業なのでクラスメイトと一緒。
それにしても90分堪えられるかな。この状況で。
だって、教科書見せるわけだから机くっつけるわけで
隼田くんとの距離が30㎝あるかないかぐらいすんごい近いんだもんっ。
横をみると机にひじをついて、うとうとしている。
隼田くん今にも寝ちゃいそう。
──数分後。
起き上がったと思ったら「俺寝るから当たったら起こして」と残し寝始めたし。
隼田くん、また寝ちゃったよ……。
チラッと隼田くんを盗み見してみる。
……や、やりにくい。非常にやりにくい。全っ然授業受ける状態じゃないんですけど!
隼田くんはあたし側に顔を向けて気持ちよさそうに寝てる。
うわー。すんごく気持ちよさそうに寝るな。
いや、そうじゃなくてっ!!集中、集中。
授業に集中するため隼田くんの寝顔から目をそらした。
けどまたチラッと盗み見するあたし。
すぐ目を離そうとしたが、ある部分に目が止まる。
まつげ長くない!?ドユコト??
男の子ってこんなまつげ長かったっけ?
あたしよりも長い気がする。
うー、男の子に負けるなんてっ。
あたしの唯一の強みはまつげと足首なんだよ。
まつげはこないだ測ってみたら1㎝あるかないかぐらいで。
足首はキュッとなってて、そこさえ見えれば細く見えるから気分的にはいいんだよね。
だから、家出るときは全身鏡の前に立って洋服とか整えてから最後に足首をみて行くというのがもう日課になってるくらい。