引っ越し先はあたしの隣⁉︎
再会






文化祭の出し物が決まってから、学校中が文化祭準備一色になって




どのクラスも最近は放課後残ってダンボールやら裁縫やらなんて探し回っている。


あたし達のクラスは劇だから衣装作りを女子たちがやっているのだけれど。



いやー、すんごい困る。

ほんとに困る。



だって一から作るんだよ?!


あちこち測られるんだよ?!



嫌だよーっ。

こんな醜い体測るなんてっ!もう泣くよ?




「木下ちゃーん!こっち来てー」



ほら、来た。言わんこっちゃない。


あたしは肩をズーンと落としながら呼ばれた方へ向かった。




「さ、鮫島(サメシマ)さん。よろしくお願いしますっ」




あぁ、もうヤダよー。

そう思いつつ初めて絡むクラスメイトに挨拶する。




「こちらこそよろしく!あ、桃笑(モエ)でいいよ。舞ちゃんって呼んでもいい?」


「う、うん!桃笑ちゃんって呼ぶね」



桃笑ちゃんが笑顔で頷くからあたしもつられて笑う。

初めて絡むのにこんなにも優しく気さくに話しかけられるなんて凄いなあ。



桃笑ちゃん美人だし、すごくかっこいい。いわゆるクールビューティ。



ま、クールビューティさはなっちゃんの方が勝ってるけどね。




……なんか凄いこと思ってしまったけど。秘密ということで。



そういえば1年生の頃から同じクラス……だったような?



「そーいえばさ、1年から同じクラスだよね?」



ちょっと失礼っ、とウエストにメジャーを通しながら言った。




桃笑ちゃんと同じ事考えてた!

わあ、なんか嬉しい。



ウエストを図られている恥ずかしさは微塵も感じなかった。



「うん、そうなんだよね!」


「だよねー!あんま話す機会なかっもんねー……っと全部測り終わりました!」



肩をポンとしてあたしから離れて次の人へと行ってしまった。










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