引っ越し先はあたしの隣⁉︎
それに比べて、あたし達ははたから見るとどう見えてるのかな。
心無しか不安になってしまう。
あたしはほんとに隼田くんの隣にいてもいいのかな。
仲はいいと思うよ?
でもちゃんとカップルとして見えてるのかな。
こんなちっちゃな事で不安になってしまうあたしがいけないんだろうけど……。
チラッと隼田くんをみてみる。
──っ!
目が合って、思わず下を向いてしまった。
「なんで下向くんだよ」
うっ。だ、だって……!
「な、なんで隼田くんはこっちみてた、の」
恥ずかしすぎて、さらに顔が上げられない。
もう、いつから見てたの?!
しかも、逆に質問しちゃったしっ!
「おもしろいなーと思って?」
お、オモシロイ?!
しかも、疑問形……。
「や、学校出てからずっと見てたんだけどさ。表情コロコロ変わるから」
そう言って笑ってる隼田くん。
や、待って待ってっ。
「ずっと見てたの?!」
「見てたよ」
ヒェーーー!
もうやだー。絶対すごい顔してたんじゃないの?!
「最高に面白かったよ」
……。
これは絶対からかってるよね?
「っ、からかうな!」
くそー!
隼田くんのバカ!イジワルっ!
そんな事言うともっとイジワルしてくるから言わないけど。
でも、隼田くんの笑顔みると許せちゃうんだよなー。
だめだな、これじゃ。
もっと笑顔に強くなんなきゃっ。
「面白かったけど、いろんな表情するのは木下らしいっていうか……っ」
隼田くんが口を開いたかと思えば、右手で口を隠してしまった。
ん?てか、最後なんて言おうとした?
なんか続きがあるような気がするんだけど?
こ、これはチャンスか!?
「ね、なんか言いかけなかった?」
いつも攻められてるから仕返しだ。
ジーッと見つめてみる。
ほかの女の子みたいに可愛くできないけど見つめてみた。
さあ、言いなさいっ!
ワクワクさせながら答えを待っていると、
視界が真っ暗になった。