引っ越し先はあたしの隣⁉︎
「貸して」
手のひらを上に向けてあたしを促す隼田くん。
なんで、と思いながら彼にチョークを渡す。
カツカツ……。
黒板にスラスラと問題を解いていく。
すごい。
隼田くんさっきまでずっと寝てたんだよね?
なのに、こんなスラスラっと解いていくなんて。
書き終わった彼は無言で自分の席に戻っていき、また伏せた。
「あー、木下戻っていいよ。よかったな」
先生はちょっと呆れ顔であたしをみて肩をぽんと叩いて言った。
自分の席について今の状況を確認した。
テンパってたから今まで分からなかったけど
すごい騒ついてる。
みんな「すごー!」とか「なにあれイケメンっ」とか言って女の子たちは盛り上がってる。
まだ騒ついてるなか授業終了のチャイムが鳴った。