引っ越し先はあたしの隣⁉︎







メイク中、黙々とやってくれている桃笑ちゃんと途切れ途切れだけど会話をした。

話してると人柄って分かるもんだよね。


やっぱり桃笑ちゃんはいい子。
そして、話しやすいし、冗談も言ってきたり……。

なんか第二のなっちゃん、って感じがしてきちゃった。


「はいっ!お疲れ様でした〜」

そう言ってニコやかに鏡を見せてくれる。


「……っ!」


こ、これがあたし?!

べ、別人!すごい別人!!

清潔感のあるナチュラルなメイクで、髪は緩くパーマがかけられている。

髪の毛伸ばしててよかったかも。


不本意だけどちょっと可愛いって思ってしまったし……。


はは、自分を可愛いって思ってしまうなんて本当に有り得ないことなんだけど。


改めてお化粧のチカラって凄いなと思ったよ。


「舞ちゃん、かわいいよ」

「ほ、ほんと?」

「うん!バッチリ!みんなに見てもらう?」

「えっ?!」


ややや!それはっ……──!!



「木下さん、可愛い!」

「いいじゃんいいじゃん!」


断ろうとしたけど、一歩遅かった……。

桃笑ちゃん、行動が早いよー。


もう慣れない言葉ばかり言われるから、どう反応したらいいか分かんないしっ。

だんだんと顔が熱くなってくるのを感じる。


ひとり困っていると、

「はーい!褒めるのはここまで!舞ちゃん顔真っ赤だから」

桃笑ちゃんがみんなに呼びかけ、その言葉にみんなは散らかっていった。









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