引っ越し先はあたしの隣⁉︎
「まい、何かあったらちゃんと抱え込まないで言ってね」
耳元であたしにしか聞こえない声で言うなっちゃん。
それにコクっと強く頷く。
「うん。ちゃんと言う。もう抱え込まない。さっき気付かされたから。あたしは1人じゃないって」
「そっか~!うんうん!舞は1人じゃない!1人じゃないっ!」
「なっ、なっちゃーーんん゛!ぐるじぃ〜っ」
キラキラ輝きを放ったなっちゃんはあたしを思いっきり抱き締めた。
それは親友って素敵な存在だな、と改めて実感した瞬間。
最後の花火は大きな音とともに大輪の花を咲かせ、あたし達にとって最後の文化祭に幕を閉じた。
陰でもう一人動く存在に気付きもせずに──。