引っ越し先はあたしの隣⁉︎






な、なに今の。


ひとりで頬を押さえながらパニクっていると後ろからチョップを受けた。



「いたっ…ってなっちゃん!なにすんのよー」

「何はこっちのセリフなんですけど〜」

とニヤリとして言った。



「え、……な、にが?」

「そーやってトボけても無駄だよーん。さっきのずーっと見てたんだからね!このやろっ!」

と言ってあたしのおデコを突っついた。


……まじですか。見られてたなんて恥ずかしい。



「なっちゃーん!どうしよう。もうドキドキが……」

あたしはなっちゃんに聞こえる声で言って抱きついた。


もう本当にどうしよう。

隼田くんと一緒にいるだけでドキドキが止まらない。


隼田くんとはあれから少し話すようになることが多くなった。

まあ、それは家がお隣さんで、そして席も隣になってしまったからなんだけど。


そのせいか、顔を合わせる機会が増えるし、顔を合わす度に彼は笑ってくるんだ。


あたしは恥ずかしくて、ぎこちない笑顔で返すことができなくて。


そしてこいうのに慣れてないから、直ぐ逃げちゃう。



だって、恥ずかしいんだもん。

ほんとこっち見ないで欲しい。


特に体型を気にしてるあたしにとって『見られる』というのが本当にツライんだ。


どうせ、この体型をみて笑ってるんでしょ?


分かるんだ、目を見れば。



『人は見かけじゃない。中身が大事。』とかよくテレビとか雑誌で言われてるけど、違うと思うよ。



やっぱり人は見かけ、容姿が大事な気がするもん。




すると、視界が揺れた。








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