引っ越し先はあたしの隣⁉︎
「木下も可愛いよ」
そうやって言うからどんどん体が熱くなってくる。
あたしも今回は頑張ってコーディネートしてみたんだ。
なっちゃんのアドバイスも借りてだけど。
『まいは手足首が締まってるから、そこを活かそう!で、スカートね!』
一緒にお買い物に付き合って貰って、選ばれたのがこれ。
ワイン色のVネックニットにミモレ丈の白のチュールスカート。
それにカーキのジャケットとスニーカーを合わせたカジュアルなコーデ。
寒さ対策で首にはマフラーを巻いてある。
あまり慣れないものを着てるから、この日まで不安だらけだったけど、
『可愛い』って。
それがお世辞でも、嬉しいく思ってしまう。
「……あ、ありがと?」
「なんで疑問形なんだよ。言っとくけどお世辞じゃないから」
ふわっと笑ってあたしが手にしているスマホを取った。
画面をこちらに向けて掲げる。
「ほら、笑って」
──カシャッ。
電子的な乾いた音をさせ、スマホ画面の左下のワイドに撮られた二人の姿が表示された。
これが初めてのツーショット。
スマホを渡され「行こっか」という言葉とともに手をつながる。
……うわぁ、もうやばいかも。
何もかもかっこよすぎるし、行動一つひとつにキュンとなる。
今なんて歩きながら少し振り向いて「さっきの写真あとで送って」って。
もう笑顔が、眩しすぎますよ!
キュン死しちゃうよ?!いいの!?
電車に乗ったりして1時間ちょい。
とあるテーマパークに着いた。
そこは3つのパークに分かれていて、
一つは大きな観覧車やジェットコースターなどのアトラクション。
もう一つは映画館。
さらにもう一つはショッピング&飲食コーナーがある。
パーク内の5ヶ所にはワゴンがあるらしい。
地図をみて確認した。
まず向かったところは、飲食コーナー。
もうお昼だからね。
やっぱりクリスマスイブだからか人が多い。
ハンバーガー屋さんで食事を受け取り、空いている席を見つけてそこに座った。