引っ越し先はあたしの隣⁉︎






午前の部が終わって、昼食タイムに。


今のところ、あたし達のチームは2位。

1位とはほんの少しの差だから午後の部で挽回しないといけなくて。

最後のチーム対抗リレーでトップになれば期待が持てると思う。



とりあえず、精一杯応援するしかない。



「わー!」


大好きなからあげが入ったお弁当を見て一気にテンションMAXになったあたし。

その姿を見たなっちゃんは優しく笑った。


「よかったー。元気になって」

となっちゃんが食べながら言う。



「ほんとーに、ごめんね!でももう大丈夫!からあげパワー全開だから!」

エッヘン!と胸を張ってみせた。



「うん、安心安心!……でもさ、あまり抱え込まないでね?ちゃんと言って?」



なっちゃん……。



「……うん、ありがとう」

ほんと、優しいな。



「じゃ、帰りアイス奢ってね!」

……。

…………はい?


えぇ!?!!い、今なんと?!


なっちゃんを凝視してるとさらに言った。


「アイス、奢ってね?」


はい、今のははっきり聞こえましたよ。

強調させた『奢ってね』は特に。




「うー、分かりました。ちゃんと奢ります」

「やったあ!ありがとー!」

と抱きついてくる。


お金あるかなー。バイトしてないからお小遣いで何とかしてるけどさ。

そろそろバイトも考えないとね。




なっちゃんは優しい子なんだけど、たまーにこうイキナリ言われるからびっくりしちゃうよ。

ま、そんな親友を持ってるあたしは幸せ者かな。




《間もなく午後の部が始まります。まだ校舎内にいる生徒はグラウンドに集合してください》



「行こっか」

「うん!」

なっちゃんに声をかけるとすんごい笑顔で応えられた。


あー、頭ん中はアイスだらけなんだな。


なっちゃんの後ろ姿みて笑顔が浮かんだ。


なっちゃんは最高の親友だよ。








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