引っ越し先はあたしの隣⁉︎








「いつまで泣いてるんだよ」

その声に顔を向けると、柔らかい笑みを浮かべてる隼田くんがいた。
その隣には北川くん。その隣にはついこの間知った飯田くんがいた。



冬休みが明けて初めての登校日の放課後。

あたしが受けていた授業が少し遅く終わって、クラスで待ってる隼田くんの元へ駆けつけた時に曲がった角でぶつかった人が、飯田くんだったの。

最初に言った一言が衝撃だったのを覚えてる。



『木下さん、だよね?』って。



びっくりしたよね。急に名前呼ぶんだもん。といっても名字だけど。


何故か一緒に同じ場所へ行くことになって、教室に入ったら隼田くんが目を大きくさせてパクパクしてるというね。

それが面白くてふたりで笑ってると、ムスッとした顔で近づいて来て、あたしを連れてそのまま帰宅しちゃったんだ。


後から聞いたら、ヤキモチだって素直に言われるし。
飯田くんが隼田くんの友達だってことを知った。


しかも、一度見たことあるらしい。夏休み前に。
あたしの記憶には全然残ってないんだけど。



というか、隼田くんだって少し目が光ってる気がするんだけど?

そう思った時。


「それいうなら隼田だって泣いてたんじゃないのっ!」

ガバッと顔を上げて涙声で言ったなっちゃん。
それに対してあたしもジーッと隼田くんを見た。


「な、泣いてねーよ!」

「ウソだ!目光ってるもん!」

「あくびだよ!眠いの」

なっちゃんと隼田くんが言い合う。
その様子にあたし、北川くん、飯田くんは笑った。











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